第 7号
 
2000年1月5日
 
神から人。
神から人へ、伝え教えて幾年か。遥か昔の 太古の昔。
人がまだ、文字もことばも祈りも知らず、神との交信交流も、神よりようやく教えられ、
さにてようやく人として、他の動物や植物と
異なる存在 生命として、神の賜る恩愛を 一身に受けし、その昔。
神は人を、他とは異なる、生命体と定められ、ことばを与え、文字を伝え、祈りを教えて交信始めし。
さにて人は特別なる 生き物としての生命を、許され賜いし存在なり。
始めに創りし多くの生命。中でも神は格別なる、命を与え、恩愛授け、神の魂分け与え、
神の姿に似せられて、神の思いを込められて、神の国なる地上世界を、現出せんとの願いを込めて、人を作りて、命吹き込む。
なれば人には他とは異なる、別なるみ役も、務めもあらん。
神の願いを顕さん。神の祈りを叶え申さん。
なれど人は務めを忘れ、神との約をも打ち捨てて、己の賜いし恩恵のみを、享受し使いて我を満たしぬる。
さにて神の願いはいずこへ。神の祈りも届かず、聞こえず。人は自ら神から離れ、己の我欲を追い求めぬる。
神の悲しみ 嘆きも知らず、人は勝手な欲望みたし、さなるためのみ、恵みを使う。
豊かに富ますを取り違え、ただに物質文明のみを、誇大に成長発達させぬる。
人の願いは物のみを、求め願うの浅ましき夢。
なぜに求めぬ、願い望まぬ。己の心を富まする術を。
己の魂 浄め磨くを、いつしか望まぬ人となり果つ。
神と始めに約せしぞ。必ず祈りを捧げんことを。神に捧げて惜しまぬことを。
初めに約して、人は誓いぬ。己の精進努力を捧ぐを。
物質栄えて、豊かに富みなば、心も豊かに潤わん。人への優しさ、思いも深き、情けも厚き人たらん。
神は信じて、待たれたり。永きの時を、待ちわびたり。人がいつしか心に目覚め、神に帰りて、戻り来ん日を。切なき思いを持て余したり。
神もいつしか待つを諦め、自ら立ちて、行わんとせり。
待ちても開かぬ門ならば、自ら出向き、叩いてみん。人の心をかくも固く、きつく閉ざせる源を、絶ちて眠りを覚まさんか。
物への執着、幻惑を、醒まし、悟りを与えんか。
神は急ぎて、始めたり。神にも迷いはあるものを。人の迷いはそを越えて、一つの信仰、宗教ならん。
物への信仰、執着は、人の心を支配独占。ついには物の奴隷となりぬ。
最早 心を失いて、人の心はただ欲と、虚像を崇める迷妄のみ。
真実を見る 眼もなくし、虚飾に惑いて踊らさる。
己の心も魂も、金銀財宝、名誉と引き換え。
この世の富を 権力を、手に入れ、代わりに 物に隷従。
何を楽しみ、何を喜ぶ。人の幸せ、真の幸を、金にて買えると信ずるか。
神の与えし至高の恵みは、心と魂、ことばならぬか。
人と動物分かつのは、ことばならずや、文字ならざるや。
なれども人の望みは変わらず。我慢忍耐、努力を蔑み、不便を嫌い、貧欲に、物質に満たさる暮らしを夢見る。
残してさらに 欲しがり求め、余してさらに、蓄えんとす。
人の一生、限りのあるを、さらに望みていかにせん。
あの世に持ちて、使わんか。地獄で貪り耽らんか。
人の真の幸せに、物は役立ち、欠かせぬか。
物への迷いよ、執着よ。哀れに囚われ、惨めに憑かれ、真の幸をも見抜けぬ悲しさ。
神の心は 嘆きに満ちぬ。
目覚ませ、気付かせ、立ち直らせん。人の本来あるべき姿に。元の清らな魂に。
曇りなき眼に、心に戻さん。神の祈りは極まれり。
人よ、聞け、見よ、最後の前に。残す時間は僅かなり。
今なら間に合い、取り返せん。人は気付かば、やり直せん。人の英知で、必死の努力で、神に求めて、甦らせん。
人の科学で解き得ぬことを、人の知識で知り得ぬことを、人の医学で癒せぬことを、全て行い現さん。
神の英知に求めば与えん。神には困難、不可能なければ。
神の御心、祈り一つで、生命生まれ、病を治さん。
なれど人には辛抱必要。耐久耐乏、努力の末に、神は与えて救いをなさん。
始めに頼り、性急に、結果を望み、祈りても、神は叶えず、聞き届けず。
人には人の み役あり。それを果たしなば、初めて求めよ。
なれど急ぐな、慌てるな。焦る心に、実り少なし。
水 多過ぎて、返りて腐らす。
土台 脆くば崩れ易かり。
功名心は仇の素。実なき虚栄は、軽率招かん。
時を待ち、来るべき日に咲く花こそ、人も愛でなん、楽しまん。
その理を忘れずに、妄りに進むな。行うな。
自然摂理に背かば枯れん。天の運行、季節の巡り、従わばこそ、法則生まれん。
神のご意図に添うことのみ。神のご意思に適わんことを、人は謙虚に祈らばよけれ。
適わぬことを求むれど、何を得られん、手に入れん。
人の身丈に合うように、神は作りぬ、仕組まれぬ。大き過ぎなば、身を持て余さん。小さ過ぎなば、動くに苦し。
己を活かすに最適なるに、神は与えて、計られぬ。
なれば人は安んじて、己の受けし恵みを喜び、神のご意図を外れぬことのみ、心にかけて行うべし。
さなりて人は順行し、神の追い風、背に受けん。人の幸せ、不幸せ、全ては神の計らいなり。
恵まれぬときこそ、神を思い、さらに精進努力を誓わば、神は助けて、導かん。
満たされ不足なきときも、同じく祈れよ、神への感謝を。
神の導き、支えのなくば、嵐の中の蝋燭の如。梶をなくした筏の如し。
神に捧げよ、感謝の祈りを。
神に示せよ、己の帰依を。
神に下座して従うは、人の義理なり務めなり。
人が生まれて今日あるも、神の賜いし恩愛思えば、
易きことなり、当然ならずや。
この世を動かす法則知らば、己一人が刃向かいても、徒労と終われることを悟らん。

さにて終わる。長き伝えも、あと僅か。次なるみ役は、さらに続かん。
神の伝えも直に終わらん。なれど終わらぬ霊行なれば、休まず聞けよ、書き留めよ。
次のみ役もお伝えを、広めることなり、伝えること。
なれども今よりさらに厳しく、辛き行なり。心せよ。
さにて。