昭和20年3月18日、昭和天皇が富岡八幡宮の境内から御覧になられたのは、見渡す限り焼け野原と化した深川の地でした。
その光景を目の当たりにした昭和天皇の御心中は察するに余りあるもので、言葉では言い尽くせないものであったと拝察いたします。
その日から67年の歳月が流れ、この度、当宮へ行幸啓遊ばされた天皇皇后両陛下が御覧になられたのは、深川の人々の溢れんばかりの笑顔と熱気と元気でした。
焼け野原と化した地から、50数基の町神輿がこれ程までにエネルギッシュでありながらも整然と運ばれるその力と秩序は正に「再生」の象徴と言っても過言ではありません。
両陛下におかれましては、戦争を体験した人々のお話に熱心に耳を傾けられた後、深川の人々の再生の力、或いは日本の伝統文化が町神輿の連合渡御と言う形で脈々と受け継がれ、守られてきている今のこの姿を御覧になって頂けました。この事には大変深い意義があると感じました。
また、今年の本祭りは、昨年の大震災で甚大な被害を受けた東北の人々への深い祈りと再生の力を届けたいという、深川の人々の強い思いが込められたものとなりました。その思いは晴れ渡る真っ青な空を通じて、東北の人達にも届いたに違いありません。
最後に今回の本祭りに際しましてご尽力、ご協力いただきました氏子各町会の皆様、氏子総代会、神輿総代連合会、また関係諸官庁を始めとする全ての方々に心より厚く御礼申し上げます。 |